京都にある築100年の静かにたたずむ古民家を作業場にしているplanpoさん。日常の中に光と華を添えるうつわを日々作陶しています。

planpoさんの陶芸との出会いは中学生の頃。京都の絵付け職人に密着した番組を観たことがきっかけでした。
「幼いころから絵を描いたり工作やお菓子作りが好きだったのもあって、うつわに細かく絵を描く職人の手元に魅了されました。」
そのときめきが忘れられず、当初は絵付け職人を目指し、職人を養成する専門学校で技術を学びます。その後窯元で経験を積むうちに、そこで一から自分の作品を作る歓びに目覚め、少しずつplanpoとしての活動を始めます。
屋号の「planpo」は、専門学校の授業でブランド名を考える課題からから生まれたもの。小さな植木鉢を制作していたことがきっかけで、英語の「plant」にやわらかな響きの「ぱぴぷぺぽ」を組み合わせ、「planpo」と名付けます。その名のとおり、植物のように日々の暮らしにそっと寄り添いながら、輝きを放つものをカタチにしています。

planpoさんのうつわは、アクセサリートレイや珈琲、紅茶の時間など、日々の暮しの中でのアイテムが中心。
「毎日のちょっとした癒しやホッとくつろいでいただける時間、休日のお出かけ前の身支度の時などに、見てつかって気分の上がる作品をコンセプトに作陶をしています。」とplanpoさん。

ひとときの癒しや手に取るたびに心がほどけ、気分を少し華やかにしてくれるようなものを...。そんな想いが、すべての作品に込められています。
ぱっと目をひく特徴的な技法は「イッチン」。イッチンとは、陶磁器の装飾技法のひとつで、スポイト型の筒の中に泥漿(でいしょう ※粘土を土で溶いたもの)を入れ、生地の表面に絞り出しながら模様を描いていきます。まるでケーキの上にクリームで繊細なデコレーションをほどこすように、立体的で細やかな装飾が生まれるのが特徴です。幼いころに親しんだアイシングクッキーのデコレーションが、イッチンに似ていると思い、作品に取り入れてみたのがきっかけだそうです。時間をかけて緻密に描かれる模様は、まるで小さな光の粒が舞うかのようです。

上絵具のひとつである真珠ラスターと金彩が織りなす輝きは、立体感のある表情と光の加減が織りなす虹のようなグラデーションが見るものを陶酔へと誘います。上絵は三度の焼成を経て、ようやく完成する緻密で繊細な技巧が施されたで贅沢なうつわです。

手に取るたびに、日々の暮らしに上質な透明感と静かな輝きを運ぶplanpoさんのうつわ。魔法が宿っているような煌びやかな佇まいは、日常に豊かな喜びを届けてくれそうです。
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