あの出会いのときめきを - クロミヤアイ -

まるで本物の猫ちゃんがそこにいるような愛嬌たっぷりの作品を制作されているクロミヤアイさん。制作のことなどお話を伺いました。

 

「実は猫を飼ったことがない猫好きで、猫を飼いたいが故に作り出した作品たちです。道端で猫ちゃんを見かけた時の、キュンしたときめくような木彫りの猫を作れたらと思っています。」


素敵な作品の誕生秘話をそう教えてくれたクロミヤさん。


ちょうどお取引をお願いする頃、わたしたち店主夫婦のもとに子猫がきてくれたタイミングでした。ある作家さんとのご縁で念願叶って保護猫をお迎えできたころだったこともあり、クロミヤさんの猫に対する恋焦がれる気持ちが、愛らしい作品に繋がっているのだとお聞きして、偶然とはいえなんだかすごく共感し嬉しくてワクワクしてしまいました。

大学の芸術工学部ではグラフィックデザインを学ばれ、ITのデザイナーのお仕事のかたわら、独学で木彫りを始めたクロミヤさん。入り口は、木彫彫刻家 はしもとみおさんの「木彫りどうぶつ手習帳」という本から影響を受けたそうです。

「もともと色々な木彫り作家さんの作品が好きでした。ですが、本当に欲しい!と思うのものがなかなか手に入らず、猫のこんな感じのかあったらいいな、と思うものを自分で作ってみたのがきっかけです。木彫りはやってみると本当に楽しくて、彫ってしまうとやり直しがきかないというのが自分の感覚にあっているものでした。絵はもともと描いていましたが、何度も消して書き直しては全然完成しないのが辛かったのに対して、木彫りは前に進むしかない分、完成にどんどん近づくのが好きなところです。」


木工ならではの繊細な美しさや暖かさもある素敵な作品たち。ひと掘りひと彫り、手作業で仕上げています。


 

猫ならではの表情や柔らかな姿体を木工に落とし込んでいます。どれを見ても、思わずくすっと笑いが漏れてしまいます。

 

 キラキラ輝く存在感のある瞳は、漆を塗っているからだそうです。可愛いすぎない、リアルさも魅力です。

 

「スプーンやお皿の雑貨なので、まず自分が欲しいと思えるものを作ることを心がけています。手放したくなくて自分のものにしたい!と困るくらいのができるのが理想です。」とクロミヤさん。


大好きな動物彫刻の作家さんの色々な展示会に足を運んだり、最近はお皿やスプーンなども制作しているため、木工だけではなく陶器の作家さんの作品や色々なお店を回ったりしているそうです。ネット上では日本だけでなくpinterestなどで海外の作家さんの作品も多く見たりと、さまざまなものを参考にされているとのこと。


多くのものを吸収しつつ、でもできるだけ影響されないように。「木で出来た動物とスプーンやお皿の形の組み合わせは唯一無二のものを作る」ということは制作の上で一番大切にしているとクロミヤさん。そして「さらに自分だけのスタイルを確立したいと思っています。」と教えてくれました。

 

宝物箱にそっと閉じ込めておきたいような、愛らしい猫ちゃんとの素敵な巡り合いの記憶。作品ひとつひとつをやさしく抱きしめるように、世界に一つだけのものを生み出しています。

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