明るい色彩と、そっと語りかけてくるような優しい絵柄。神奈川県横浜市で作陶する大田亜樹さんに、制作への想いを伺いました。

大学を卒業して、十数年サラリーマンとして歩んだ日々。その間も、大田さんの心のどこかには、いつも器がありました。うつわ屋さんを巡り、作家の個展に足を運び、旅先では民芸品店へふらりと立ち寄る。そうして出会った器たちは、今も食器棚に大切に並び、静かに時を重ねています。
「自分でも、こんな素敵なものが作れたらいいなと思うようになりました。」
一念発起した太田さんは、その後美術短大に進学し、陶芸の道を歩み始めます。卒業後は陶芸教室のアシスタントとして手を動かしながら、ひとつずつ自分だけの表現を育んでこられました。お話を伺うと、大田さんの器への深い愛情が、ふわりと伝わってきます。
「明るい色の動物や植物は、見ているだけでも気持ちが明るくなるんです。だから、手に取った方の心にも、そんな小さな喜びがそっと届けられれば嬉しいなと思っています。」

しっとりとしたマットな白に、そっと浮かびあがる優しいモチーフの作品はもとより、最近では、さらに柔らかい表情を求め、透明釉を使った作品づくりにも取り組んでいます。

絵の具と釉薬の相性を、何度も何度も試しながら、少しずつ、少しずつ、ほっとするような、やさしい空気を器に吹き込むように…。

手のひらから伝わる、あたたかさ。大田さんのうつわは、きっと、どんな日もやさしく包みこんでくれることでしょう。
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