そっと、すくう - あおのいえ -

暮らしの中にひそむ小さな幸せは、季節が巡るたびそっと色を変えていきます。そんな何気ない一瞬を、糸と針で丁寧にすくい上げる作り手さんがいます。

刺繍作家「あおのいえ」さん。

その名には、日々を重ねるご自身のアトリエであり暮らしの場でもある青い家の色から。日常の中にあるささやかな喜びを大切にしたいという想いが、そのまま作家名となりました。

あおのいえさんの作品のモチーフは、特別なものではありません。道ばたで出会う草花、ふと目に留まる小さな生き物、心をほどくような食卓の風景、幸せな気持ちになる食べ物。そのどれもが「ああ、いいな」と感じる瞬間の記憶として、繊細な刺繍へと姿を変えていきます。ひと針ひと針に宿るのは、日々を愛おしむまなざし、そのものです。

あおのいえ


ものづくりとの出会いは、中学生の頃。家庭科クラブで編み物に触れたことが始まりでした。手を動かすことの楽しさに魅了され、独学でさまざまな手工芸を学び続けます。そしてやがて、「つくること」が人の心や身体に寄り添う力を持つと知り、その道は作業療法士というかたちへとつながっていきました。

医療の現場で、刺し子やクロスステッチといった刺繍に日々触れる時間。糸を通し、針を動かすその静かな営みが、心を整え、回復へと導く一助となる...刺繍が持つやさしい力を、実感として受け取っていきます。

2021年、「あおのいえ」としての活動をスタート。オンラインやイベントを中心に、作品は多くの人のもとへ。さらに百貨店での出展へと歩みを進めながら、日常に寄り添う刺繍の世界を、少しずつ広げています。

制作のインスピレーションは、いつも暮らしの中に。けれど同時に、海外の刺繍作家の鮮やかな色使いや異素材の組み合わせ、水彩画や油絵のにじみや重なりもまた、表現の奥行きをそっと支えています。

やわらかな刺繍糸の重なり、光を受けてほのかに輝くビーズ、立体感のあるステッチ。素材そのものの魅力を引き出しながら、装いにそっと華を添えるアクセサリーへと仕立てられています。身につける人の一日が、ほんの少し明るくなるようにとの想いを込めて。

みずみずしいお野菜や美味しそうな香りまでしそうなバタートースト。


季節感が感じられる満開の桜の木など。「あおのいえ」さんの刺繍はさまざまな表情を見せてくれます。

あおのいえ
あおのいえ
そのどれもがパシャリと写真で撮ったような素敵な一コマのようです。

日々の中にある、ほんの小さな幸せ。
それを見つけ、すくい上げ、かたちにすること。

そのやさしい営みが、今日もまた、誰かの暮らしにそっと寄り添ってくれそうです。

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あおのいえ


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