わたしの、秘密の宝物 - arica -

arica さんの作品は、そっと胸の奥に小さな灯りがともるような不思議なあたたかさを感じます。作品作りのことなどお話を伺いました。

arica

幼い頃から、ものづくりがごく自然な家庭で育ったという arica さん。ご家族が手を動かし、工夫し、何かを生み出すことを楽しむ日々...その中で「つくる」という行為は、生活の一部として根づいていったといいます。木工との出会いは、小学校の図工で出会った“糸鋸”。その楽しさに衝撃を受けたのがきっかけとなり、木という素材に魅せられ創作を始めます。

そうして趣味で作っていた作品を「譲ってほしい」と求められたことをきっかけに、ギャラリーやイベントでの活動が始まりました。さらに雑誌への投稿を機に、ハンドメイド・インテリア誌での掲載や連載の機会も広がっていきます。そして、子どものころからの夢だった“作品とアンティーク雑貨のお店”を叶えるべく、自宅のガレージに小さな小屋を建ててオープン。その空間は、訪れた人が宝物を探しに来るような、どこか特別な雰囲気に包まれていたのでしょう。

「モノづくりのオタク」と自ら語るほど、とにかく作ることが大好きな arica さん。制作の時間を優先したいという思いもあり、実店舗は幕を閉じ、現在は SNS 中心に作品づくりを続けていらっしゃいます。

素材の美しさをそのまま活かしたミツロウ仕上げ、そして幾重にも塗り重ねる独自のペイント。まるで陶器のようにしっとりとした質感を纏わせたりと、豊かな表情を作り出しています。

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作品に使われる木は、柔らかく加工しやすい「もちの木」を中心に、ブナや椿、桜なども取り入れています。

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その佇まいには、“時を経た美しさ”への敬意が静かに息づいているようです。長い年月を経たものが纏う、静かな陰影や、時の重なりが刻む奥行き。作品には、どこか懐かしさが感じられる風合いがあります。

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作家名の「arica」とは“宝のありか”や“秘密の在り処”を示す言葉なのだそう。作り手として、自らの手から生まれたものが、いつか誰かの“arica”になることを願いながら、ひとつひとつ丁寧に形を生み出しています。

aricaさんの作品一覧は こちら
木製ブローチや雑貨 arica

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