絵本の中のような動物や草花がのびのびと描かれた、苔色工房さんの作品たち。今にも動き出しそうな楽しい世界が、うつわの中いっぱいに広がっています。
苔色工房として作家活動をしている田中遼馬さん。2004年に大学の陶芸サークルで陶芸と出会い、少しずつ自分の世界を築いてこられました。屋号の「苔色工房」は、大好きだった苔や苔盆栽に由来しています。
描かれている絵柄は、すべてフリーハンド。ひとつのパーツごとの表情が異なり、手しごとだからこそ生まれる揺らぎや温もりが、そのまま作品の個性になっています。

古くから伝わる「掻き落とし」の技法。実はその技法の名前も知らないまま、独学でたどり着き、試行錯誤を重ねながら自分だけの表現として育ててきたそうです。絵を描き、削り出して生まれる線には、どこか物語を感じる奥行きがあります。

作品づくりには、さまざまな土を試した末にたどり着いた益子の土を使用。白土、黒土、ブレンドした土をイメージに合わせて使い分け、やさしく奥行きのある風合いを生み出しています。素朴であたたかな佇まいですが、実際に手にすると驚くほど軽やか。毎日の食卓で気兼ねなく使える心地よさも、大きな魅力です。

お気に入りのおやつをのせたり、朝食のパンやサラダを盛り付けたり、午後のティータイムのおともにしたり。何気ない日常のひとときが、この作品に盛り付けるだけで少し特別な時間へと変わります。
暮らしの中に、小さな物語をそっと運んできてくれる。そんな一枚、一客との出会いを、ぜひお楽しみください。
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