甘すぎないテイストにそこだけ柔らかな光が当たったようなキラキラ感。細部まで魅入ってしまう豊かな美しさに思わずため息が漏れてしまいます。作り手の、ののむらみなみさんに制作のことなどお話を伺いました。
「かわいいものに出会うと、心がぽっと灯がともったようにあたたかな気持ちになります。忙しい毎日の中で触れると癒されるような、そんな存在を目指しています。」とののむらさん。
ウイリアム・モリスや古い壁画などたくさんのものからインスピレーションを受けているということですが、どの作品を見ても確固たるオリジナリティーがあり、しっくりくる落ち着きを感じさせるののむらさんのブローチ。身に付けたいのはもちろんですが、お気に入りの宝物箱からそっと取り出して眺めているだけでも、気分がグッと上がりそうなものばかりです。
「アンティークのものや古いものが持つ独特な存在感は目指しているところでもあります。ボタニカルアートも好きなので花柄の参考に取り入れたりもしています。制作はイラストを描くところから始め、何個も描いてこれブローチによさそう!と思ったものを次に粘土で立体にしています。」
「春をはこぶとり」と名づけられた作品。からだの部分には花のレリーフ。緑がかった少し薄い灰色の釉薬が施されています。
貫入に墨を入れる「墨入貫入」という技法で模様を表現。貫入は釉薬が焼成の時に縮んだ時のあとなので同じものはありません。まさしく世界に一つだけのものです。
金彩も上品に使われアンティークのようなクラシックな雰囲気に。
今回はクリスマスの時期ということで、冬が楽しく過ごせそうな作品を多くお願いしました。素敵な装いのおともにぜひ。
大学で工芸を専攻し漆、彫金、染織、
焼き物の質感や色、特に釉薬に心惹かれ、新しい色やテクスチャーを探すのが好きだそうで、窯の中から偶然に新しいものができた時など、はっと息を呑むほど感動するそうです。
その時の感動を伝えられたら…そんな想いを抱いて日々作陶されています。
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