やさしさに、そっと弾む - 木村涼子 -

やわらかな土の表情に、やさしい絵柄がそっと浮かぶ作品たち。京都の作家 木村涼子さんのうつわは、どこか懐かしく、ぬくもりを感じさせるものばかり。日々の暮らしに穏やかなひとときをもたらしてくれる...そんな予感を感じさせてくれます。

木村涼子

のちの母校となる場所で行われていた、卒業制作展で出会った陶芸のオブジェ。高校生だった木村さんは、その自由でのびやかな表現に、強く心を惹かれたといいます。


陶芸家となった今も制作で大切にしているのは、

「楽しく作ること」

そして

「自分が心から好きだと思えるものを形にすること」


そう教えてくれた木村さん。


作り手のそのまっすぐな想いが、器のやさしい表情へとつながっています。

ひとつひとつ丁寧に形づくられた作品には、手仕事の跡があたたかく残り、同じものはひとつとしてありません。やわらかな輪郭や、土の温度を感じるような手ざわり。そこにそっと添えられた絵柄が、小さな愛らしい物語を静かに紡いでいるようです。

木村涼子

モノづくりの始まりは、暮らしの中や立ち寄ったお店でふと目に留まる可愛いものや、心が弾むようなかたち。それを大切に心に留めながら、作品へと昇華されています。

小さな帽子やワンピースなどのかたちをした「お洋服シリーズ」も、そんな感覚から生まれました。色とりどりの土を組み合わせる“練り込み”の技法から着想を得て、「この雰囲気をセーターや靴下みたいにしたらきっと可愛いだろう」という想像から始まり、試行錯誤の中で、土が焼けて現れる緋色を活かして模様を描く表現へとたどり着きました。


まるで着せ替え人形で遊ぶときのように、「今日はどれにしよう」と心が弾む感覚と、思わず身につけてみたくなるような愛らしいデザイン。そのどちらもが、小さな世界の中にぎゅっと詰まっています。

木村涼子

眺めているだけで心がほどけ、ふと肩の力が抜けるような、やさしい時間が流れ始める...。確かな個性がひかえめな光のようにきらりと宿っています。

木村涼子


“ほんとうに大切なものは、目には見えないんだよ。”


そんな言葉をふと思い出すように、気がつけば、いつもの時間が少しだけやさしく感じる瞬間。手に取ったとき、目にしたときのワクワクする気持ち。そのどちらもが自然に重なり、暮らしの中にささやかなよろこびをもたらしてくれます。静かに寄り添いながら、心にあたたかな余韻を残してくれるうつわです。

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木村涼子



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