「ガラス作りを始めたきっかけはずっと前にありました。小学生の時に小樽で見た、吹きガラスが強烈に心に残っていて、トロトロのオレンジ色のモノがガラスになっていく不思議な風景でした。そこから小さなガラスの人形やビー玉を集めるようになり、小さいのに光を集めて輝くガラスがずっと好きで、大人になったらガラスで何かを作るんだと心の中に秘めていました。」
そんな金津さんでしたが大人になり、現実的な将来を思い美術教師になろうと進学。その当時住んでいた大阪で吹きガラス教室に通い始めます。そこでやはりガラスの魅力にひかれ、今も制作を続けていると教えてくれました。
「ガラスの魅力は、光との関係でそれを組み合わせて屈折や光の溜まりで相乗効果が得られるところが気に入っています。」と金津さん。
作品の絵柄は、お散歩や買い物に行くときのふとした日常の瞬間や旅行先の景色などを頭の中に貯金している感じに近いそうです。それを引きだしてきて作品のモチーフに。
植物に関してはまずじっくり観察して絵を描いてから制作。
サンドブラスト(砂を高圧で吹きつける機械)で模様を彫り、ガラス用絵の具で色をつけていきます。立体的で繊細な絵柄と色彩がとっても美しいですね!
ガラスの丸彫りは、吹きガラス技法で形成した後、切子の技法で丸い彫り込みを入れます。持った時の滑り止めにもなり、レンズのように表情が変化するので面白さが増します。
「小さなものでも生活を豊かにするきっかけを作りことができると思っています。そんな日々の暮らしのスパイスになれたらいいなと思いながら制作しています。そしていつか、物語を持ったアンティークになってくれたら嬉しいです。」
色々な人たちの人生と一緒に歩むであろうキラキラと輝くもの。そんな素敵なものをこれからも生み出されていくのだろうな...と考えるだけでワクワクしてしまいます。今後の素敵な作品たちも楽しみにしています!
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