木のぬくもりに、やわらかな曲線がほどけるように重なり合う、フナハシトモハルさんのうつわ。その静かな佇まいには、日々の暮らしにそっと寄り添うための、やさしい意志が感じられます。

はじまりは、大学卒業を目前にしたある日のこと。書店でふと手に取った一冊の家具工房の雑誌に、心を射抜かれるような出会いがありました。’’これをやってみたい’’...そのまっすぐな想いが、木工の道へと導いかれていきます。
家具工房・木工所に約20年務めながら、2006年クラフトフェア出展をきっかけに自宅工房にて自身の作品制作をスタート。2足のわらじで制作を続け、
フナハシさんとの出会いは、数年前の静岡手創り市でした。やわらかな空気が流れる会場の中で、その佇まいは不思議とよく馴染み、気づけば足を止めていました。


光の中に置かれた木のうつわたちは、静かに息づくようで、手に取ると、そのやさしさがじんわりと伝わってくる...そんな風に感じたのを思い出します。

静岡をはじめ、''クラフトフェアまつもと''など、各地のクラフトフェアに精力的に出展されています。クラフトフェアや陶器市は、実際に手に取り、作り手の言葉に触れるひとときも楽しい時間です。
フナハシトモハルさんの木のうつわ
制作には、まずその木本来が持つ魅力を損なわず、より輝かせるように。

日常の道具として、長く使い続けてもらえること。そのために、手にしたときの心地よさはもちろん、見えない裏側や細部にまで丁寧に手をかけてるのが分かります。

ひとつひとつの仕事に込められた誠実さが、触れた瞬間にすっと伝わってくるようです。

自然の風景にひそむかたち、長い時を経た古い道具や工芸品。そうしたものに耳を澄ませるようにして生まれるフォルムは、木目に寄り添いながら、やわらかな陰影をまとい、静かに呼吸するような表情を宿します。最近は、

パンをのせるうつわとして、あるいは小さな器を受けとめるトレイとして。食卓にそっと置かれたとき、木のやさしいリズムが広がり、いつもの景色が少しだけやわらかく整っていく。

使い込むほどに、色はゆっくりと深まり、手の記憶をまといながら、世界にひとつの表情へ。気づけば、暮らしの奥に静かに根を下ろし、ふとした瞬間にそっと寄り添っている...
そんな、時間とともに育っていく存在です。
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