ほっと心ほどけるような、綿貫彩さんのうつわ。このたび、当店ではじめてのお取り扱いとなります。工房にお伺いして、ものづくりへの思いや制作のお話を聞かせていただきました。

大学で専攻を決める際、いろいろな素材に触れるなかで「土」が一番しっくりきたという綿貫さん。そこから陶芸の道に進み、現在は山梨にほど近い相模原の自然豊かな山あいに工房を構えています。
壮大な山々に囲まれ、風が心地よく吹くその場所で、日々作品が生まれています。

きちんと整理されて使いやすそうな工房内。

工房には綿貫さんを見守るように暮らす2匹の猫たちの姿も。

もう一匹の猫ちゃんは恥ずかしがり屋で、ほんの少しだけ顔を見せてくれました。実は、この兄弟猫たちは元捨て猫で、お母さん猫が「この子たちをお願い!」と玄関前に置いて行ったそうです。近くにはキャンプ場も多く、その影響で置いていかれる猫が後を絶たないのだとか。
そうした地域の事情もあり、保護猫活動をされている方をご紹介いただき、当店にもひとりの新しい家族がやってきました。たびたびメルマガやSNS等では登場しております副店主の蒼(アオ)です。
綿貫さんの作品を興味津々で見つめる副店主。

気まぐれに仕事場をウロウロ偵察したかと思えば、店主夫婦にゴロゴロ甘えて強制的に癒しを提供したり。「副店主」と名乗るには自由すぎる勤務態度ですが今日もマイペースにお店の平和を守って(?)おります。
器との出会いだけでなく、こんな素敵なご縁まで届けてくれた綿貫さん。作品に感じるやわらかさや楽しさは、綿貫さん自身のあたたかいお人柄そのものです。
さて、作品のご紹介です!
「懐かしさを感じるものが好きで、子どもの頃に見た風景や小学校の出来事をよくモチーフにしています」と綿貫さん。
描かれているのは、体育の授業やプールの時間、みんな同じ帽子や水着を身につけて、先生の笛の音で一斉に動くあの風景。校庭や教室に響くにぎやかな声、整列して準備体操をする時間、そして水しぶきをあげて飛び込む瞬間。どれも、何気なく過ごしていたはずなのに、今思い出すと胸にじんわりとあたたかい記憶として残っているものばかり。綿貫さんの器には、そんな記憶の中の優しい景色が描かれています。あの頃の空気がふわりと漂っていて、見るたび、使うたびに懐かしい気持ちがよみがえります。

器は型を使って形づくられますが、手仕事ならではの程よい揺らぎがあり、釉薬や絵付けの色合いも、穏やかでやさしく、食卓や暮らしにすっと馴染みます。

今回は猫ちゃんのうつわもご制作いただきました。


思わず笑顔になる、ちょっとくすぐったくなるような絵柄たち。
「使う人が、つい楽しくなってくれたら」という気持ちが、ひとつひとつの作品にそっと息づいています。
懐かしさとぬくもりを映した、綿貫彩さんの器。今日のごはんも、おやつの時間も、ふんわり和ませてくれる相棒になってくれそうです。
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