見ているだけでほっこり和む原田晴子さんのうつわ。愛知県常滑にある工房にお邪魔させていただきました。
急須が有名な焼き物産地の常滑。毎年秋に開催される「常滑焼祭り」は作家さんも参加する人気のイベントです。また、「やきもの散歩道」はお洒落なカフェや雑貨屋さんが集まった場所。そして常滑は潮の香り漂う素敵な海の街です。
原田さんの工房も扉を開けると目の前は広大な海という絶好のロケーション。日々刻々と変化する潮騒、季節を感じながら作陶されています。そんなさわやかな工房にぴったりの原田さんは、お話しているとこちらまで元気をもらえるような、気持ちいい海風のような印象の方。お会いしている間中も笑い声が絶えず楽しい時間を過ごさせていただきました。
工房内は秘密基地のような空間。陶器の他に趣味の物や雑貨類が置かれていて、なんだかワクワクした気持ちになります。
ちょっと外国のような雰囲気を感じたのでそうお話したら、なるほど納得。ご主人は外国の方でした。店主も18年ほど海外に住んでいたこともあり、多様な考え方やバイタリティーのある方とはお話がついつい盛り上がってしまいます。
学生時代からバレーボールの選手として活躍。企業でも9人制チームに所属されていました。しかし、バレーボールは好きだけど、仕事として一生するのは難しいという思いもあり、「何か一つのことをずっとやっていきたい」ということは常に考えていたのだそうです。そんな時バイクで来た常滑で、IWCATという国際交流の取り組みで行われた海外アーティスト達と焼き物を作るというプロジェクトの窯焚きに、たまたま合流することになります。
「このプロジェクトも本当に楽しかったし、常滑の雰囲気がすごく気に入って。そして陶芸は一つのことをずっと出来ると思って興味はありました。これだな!という感じがしました。」
共栄窯セラミックスクールにて学んだあと、同スクールや陶芸教室にて勤務。2000年に常滑の大野町にて築窯されます。
かわいらしい風合いの作品は、東日本大震災の時に「明るいものを作りたい」と思い作成を始めたのだそうです。普段使いでどんどん使って欲しいので、なるべく丈夫なもの、また割れたり壊れたりしても気軽に買い足せるように求めやすい価格にされていたりと、日常使いのうつわを届けたいという強い想いが込められています。
dip dish。取っ手がキュート。あたたかみを感じるほのぼのとした絵柄。
信楽+瀬戸のブレンド土を使用。陶器の割に固めのテクスチャーなのは、長時間焼いて密度を濃くしているから。マット釉を施し、汚れも付きにくいよう工夫されてます。
見ているだけでほんとに明るく元気いっぱいになりますね!
常滑の魅力は海の街ということもあってか、おおらかで人当たりの良い人が多いと原田さんはおっしゃいます。また快く受け入れる風土から、自然と同じようなやさしく心のあたたかい移住者や作家仲間も集まっているのだそうです。そして二人のお子様がいらっしゃる原田さんには、常滑には子供向けの国際交流などもあり、外国の子供の滞在を受け入れたり、ご自身のお子様を外国にホームステイさせたりなど魅力的なプログラムもあり面白いのだそう。原田さんのやさしさとあたたかな風合いのうつわは、そんな常滑の魅力も反映されているのでしょうね。今後は、シックな感じの作品も作っていきたいとおっしゃってました。これからの活動も楽しみにしております!
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