日々の生活にそっと溶け込むような、ナチュラルで優しい風合いの作品を作られている岡さん。アトリエスペースでお話を伺いました。
横浜の少し小高い丘の上にあるご自宅兼工房は、日の光がやわらかく差し込みとても落ち着く空間。もとは和室だったお部屋をセンス良くリノベーションされていて、とっても効率の良い造りになっています。
「夫の方が器用で色々と作ってくれて。ここはもとは押し入れだったんですが、ちょうど良いスペースに作り直してくれました。」優しく微笑む岡さんは作風の印象そのままの雰囲気の方です。
和室の造りをうまく利用した収納スペース
東京の八王子出身の岡さんですが、同じく作り手でもある旦那さんとご結婚されて横浜に。お二方ともモノを作られる方々なので、とってもお洒落な空間にまとめてらっしゃって、何よりも本当に心地良い場所です。
(余談ですが店主も東京の国分寺や埼玉所沢育ちなので、神奈川は風が違いますよね、なんてお話で盛り上がりました。分かる方は分かるかしら?)
丘からの風が気持ちの良い窯のスペース。室内にあるもう一つの小さめな窯と二つを使い分けて制作。
小さな頃から工作など大好きだったという岡さんは、武蔵野美術大学短期大学部専攻科陶磁コースで陶芸を学ばれます。
「陶芸をする何かきっかけがあったというわけではないんですが、生活にそっと溶けこむようなものが作りたいという思いはありました。」
子育てで忙しい中でも、それでも作ることは辞められなかったとおっしゃいます。
「大変な時だからこそ、作ることでバランスが取れていたのだと思います。」
日々の暮らしと一緒に歩んできた作ること。そのお言葉通り、岡さんの作品は「こういうサイズがあればいいなあ~」というちょっとした工夫があるものばかり。シンプルでありながら楽しんで使うことが出来ます。
小さなココット。個々のグリルメニューや焼きプリンなども素敵そう!
耐熱のうつわですが、普通のミ二ボウルのような使い方で、ヨーグルトやカットフルーツやスープカップとしてなど、毎日何かしら使って欲しいという思いが込められています。
ブルーシリーズは、釉薬の結晶が光にあたるとキラキラと輝き美しいお品です。
やわらかな色合いや風合いが、ほっこり心を癒してくれます。お手持ちの器とも合わせそうですね。中鉢は'たわみをつけより柔らかな印象に仕上げています。
「私の器は、強い個性があるわけではないと思うのですが、普通の暮らしの中で、誰かの何かの助けになってくれればいいな..と思って作陶しています。」
ご自身も作られたもので心を救われたり、助けられたりしたことがあったとおっしゃいます。どこかのだれかの生活の一助になってくれたら本当に嬉しいと、ふわっと優しく微笑む岡さん。やさしい思いのたくさん詰まった器たちです。
(岡さん、この度はお忙しいところありがとうございました!)
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