小さな箸置きにこめられた大きな真心 美濃焼 イホシロ窯

ついつい顔がほころんでしまう可愛らしい箸置きを作成されているイホシロ窯さん。美濃焼の産地である岐阜県瑞浪市にある工房にお邪魔させていただきました!

イホシロ窯の箸置き

イホシロ窯さんは、1960年に創業した和食器や雑貨の卸売り会社の社内工房として2007年に産声を上げます。自社メーカーとして何か独自のものを作れないかと考え、窯の関係もあり、小さなものから始めたのがきっかけだそうです。創業当時からの「気持ちと手仕事」にこだわり、まごころをこめて丁寧に作陶されています。


工房を見学させていただきました!


この小さなかわいい箸置きを作るのに、こんなにも工程があるのか!?とびっくりするくらい、ひとつひとつ手間暇をかけて作成されています。

美濃焼イホシロ窯工房訪問



主な工程は、計量 ⇒ 型作り ⇒ 手作業でのカタチ作り ⇒ 乾燥素焼き ⇒ 施釉 ⇒ ピン跡とり ⇒ 本焼成 ⇒ 上絵...と他にもさまざまな工程を経て、愛らしい小さなモノたちができあがっています。

同じ色でも何種類も納得するまで独自に釉薬を調合。これが重要な作業なのだそう。

イホシロ窯工房



当店でも取り扱いのあるにんじんさんを制作中でした。

美濃焼の箸置き(人参)



こちらは穴の部分がリアルな土付れんこんさん 

美濃焼のレンコンの箸置き



品物によっては、一度釉薬を落とし質感や風合いを出したり、焼魚やパンなどの焦げ目を刷毛でつけたりと別工程の手作業が加わります。

食欲をそそるリアルな焼き魚シリーズ

焼き魚の箸置き(美濃焼)




3色団子の作成風景

美濃焼の3色だんご



素焼き待機中の団子三兄弟

団子の箸置き



思わずパクっとしてしまいそうな和菓子シリーズ

ほっこり可愛い箸置き




焼き物を作る過程では仕方ないこととはいえ、土を千数百度で焼くために多くのエネルギーを使います。そこで現在はほぼ100%太陽光エネルギーを使用。商品が小さなものだからできるとおっしゃいます。

イホシロ窯は100%太陽エネルギー



イホシロ窯さんのお品は、眺めているだけで顔がほころんでしまうものばかり。食卓がパッと明るくなって、自然と会話が弾みそうです。

とぼけた顔がなんとも可愛い箸置き古代シリーズ

古代シリーズ



新鮮さを感じる風合いでおいしそう!

お野菜シリーズ箸置き



商品は、社内、社外デザイナーもしくは社長の五嶋久年さんがデザインしたものを、はじめは久年さんが中心となり作成。ひとつの色味、風合いを納得いくまで調整し完成となります。約500種類の商品を約25名の職人さんたちが手間を惜しまない手作業で、ぬくもりを感じる自然な質感を表現。生まれ育った町を出て、ふと故郷に戻った時に中学時代の初恋の人に偶然会った時の気持ち。その時に感じるような「心のときめき」を焼き物で表現できないかと思っていらっしゃるのだそうです。日本のモノづくり、手仕事の原点、いかに真摯に、真面目に、最後は使い手の心があたたかくなるような良いものを目指して。イホシロ窯さんの工房の様子からひしひしと伝わってきました。

イホシロ窯さんにお邪魔しました。



窯のお名前「イホシロ窯」は昨年、2020年に名付けられました。これは所在地の古い字名が五百代(いほしろ)、また創業者の名前が五嶋であることも掛け、末永く続く窯となるようにという願いを込めてつけられたそうです。コロナで大変な時だからこそ、より意味のあるお名前だなと感じます。東京にはパレスホテルに直営店も出され、いっぱいの愛情を注がれ作成された小さな箸置きたちはより広い世界に羽ばたいていくことと思います。


お話を伺いご対応いただいたのは主に久年さんの息子さんの広道さん。ちょうどご実家の家業に入られたばかりのころお邪魔させていただきました。さすが元銀行員というだけあってお気遣いも素晴らしく、とってもさわやかな好青年。社長さんも心強いだろうな~と勝手に想像。また、その他のスタッフの方々からもあたたかいご対応を頂きました。(お忙しいところお邪魔させていただきありがとうございました。)

これからもちょっと「クスっ」としてしまうような素敵な作品を楽しみにしてますね!


美濃焼 イホシロ窯さんのお品はこちら

イホシロ窯

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