(2022年2月28日更新)
益子で作陶している坂下花子さん。「練り込み」というめずらしい技法でうつわを作陶されています。制作のことなどお話を伺いました。
東京出身の坂下さんは、武蔵野美術大学を卒業後、愛知県立窯業高等技術専門校で陶芸を学ばれます。その後、益子町の窯元で経験を積まれ、2010年に独立し益子で工房を構えます。お話するとホンワカとしたやさしい雰囲気の坂下さんですが、「練りこみ」の技法は本などを見てほぼ独学で学ばれ、習得していったのだそう。
「すごく親切な本(練り込みの作り方が書かれている)があって。それを参考にして。でも、失敗することも多くて、なんでこんな大変なことやっているのだろうって迷うことも...でもとりあえずトライしてみるという感じです。」と坂下さん。
いろいろな色をつけた陶土を組み合わせてさまざまな模様を表現していきます。
狙って作りたくてもなかなか思うように模様が描けず、苦労することも。「良くできた!」と思っても、合わさった様々な陶土の収縮度が違うため、窯で焼いた後、うまくいかないと割れてしまったりすることも多いのだとか。試行錯誤を繰り返して唯一無二のお品を作られています。それぞれが二つとない、まさにオンリーワンです。
丁度当店でも取り扱いをさせていただくレンガマグの生地の仕込み中でした。
焼成すると優しい色合いに。
マグカップ レンガ模様 黄色 x 青 x 茶色
裏の味わい深い模様も魅力です。
そうして、仕込みをした生地を型にはめて制作していきます。
こちらの型も一つ一つ手作りだそうです。
さて、取り扱い作品のご紹介です!
人気の四方皿。
少し艶感のあるしましま模様とマットの質感の格子柄の2種類となります。
坂下さんの作品は、日本古来からの色味のような淡くて少しくすんだ落ち着きのある色合いが多く、色の合わせ具合に独特のセンスを感じます。洗練されたデザインもさることながらほっこりした印象も受ける作風です。
とってもかわいらしいギンガムチェックと格子柄のボウルも入荷しております!
※「茶色」は同じ色の土なのですが、お色見が濃いものがあり、濃いめのものはギンガムチェック「こげ茶」とし、「茶色」とは個別の商品ページをご用意しました。手作りの器は、その時の焼き方や色々な条件で色合いも変化します。タイミングで変わる出会いを楽しんでいただけたらと思います。それぞれ素敵なので是非見てみてくださいね。
こちらは少し色が濃いめの「こげ茶」になります。
落ち着いたお色味と風合いなので意外と色々なうつわにも合わせやすく、コーディネイトがきまります。もちろん同じ柄で合わせても、おしゃれにまとまります。 どれと合わせようか考えるだけでウキウキしてしまいますね!
「緑」は新入荷となります!
マグカップもこの世に一点と同じものがないので、個体差を楽しみたいお品ばかりです。
しましま模様が可愛いですね!お色違いもあります。
鶉(うずら)の羽に似ていることから名前がついた「うずら手」。練り込みの伝統的な技法のひとつです。黄味がかった灰色の亜麻色と青みがかった空色鼠のような色味で、伝統的な技法を用い、スタイリッシュでそれでいてぬくもりを感じるお品たちです。
制作にはロスが出やすく作るのが難しいと言われている練りこみ。「ただ要領が悪いんです。」とほんわりと微笑みながらおっしゃる坂下さんですが、きっととても努力家で芯のしっかりした方なんだろうなと思いました。
裏は素地をいかした風合い。釉薬がかかっていない為、少し汚れやすくなってます。陶器全般に言えることですが、使用後はすぐ洗って良く乾燥させてから収納をしてあげてくださいね。とアドバイスいただきました。
坂下さん、お忙しいところお時間いただきありがとうございました。
またお会いできるの楽しみにしてます!
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