小石原焼(こいしわらやき)とは?
1669年、今から約350年前に八ノ丞貞正(はちのじょうさだまさ)が福岡県小石原村皿山地区で陶土を発見し開窯したのが始まりと言われています。その後、1682年に黒田藩が肥前伊万里の陶工を招き、八之丞と共に中国の製法にならって磁器が作られ始めます。その時期小石原焼は中野焼と呼ばれていましたが一度衰退。1729年頃、高取焼と交流することで再興され、磁器から陶器を作るようになります。18世紀に入ると、日田の代官が小石原焼の陶工 柳瀬三右衛門を陶芸技術の伝承のため小鹿田の地に招いたことから、小石原焼と小鹿田焼は兄弟窯ともいわれています。
戦前に柳宗悦が民藝運動で小鹿田焼を称賛したことから、その発祥となる小石原焼も注目を浴びるようになります。1958年にはベルギーのブリュッセルで開かれた世界博覧会でグランプリを受賞。「用と美」を備えたやきものとして評価を高めました。今では人気のある日本の民藝の焼き物の一つです。
小石原焼の特徴
しっかりとした厚めの作りに、手仕事の職人技による''飛び鉋''(とびかんな)、指描き、刷毛目などの装飾を施します。素朴な中に美しさが共存し、手仕事の味わい深さが魅力です。
のどかな里山を散策。ゆっくり歩いて、立ち寄って。
福岡から車で約1時間の距離にある小石原焼の郷。大分県にほど近い東峰村は美しい山々や竹地区の棚田など、どこか懐かしい風景が広がっています。東峰村には、小石原焼と高取焼の流れをくむ50軒の窯元があります。それぞれの窯元が店舗スペースを持ち販売もしているので、お気に入りを見つけるのも楽しいですね。
唐臼(からうす)いにしえの時代に水の流れを利用し、テコの原理で土や釉薬を細かくしていた粉砕機です。
小石原焼伝承産業会館
小石原焼の歴史や作り方を知ることが出来ます。
登り窯もありました。構造など詳しく書かれています。
お!なんだかおもしろそうな。陶芸体験なども出来るそうです。インパクト大。
入り口の立て看板。思わず、うふふ。こういうの嫌いじゃありません。
東峰村小石原地区周辺で行われる「民陶むら祭」は、春(5月)と 秋(10月)に行われる陶器祭です。お祭りの時に合わせて訪ねてみるとまた雰囲気も違って楽しそうですね!
民陶むら祭運営委員会(東峰村商工会内)
TEL:0946-74-2121
さて、当店で取り扱いさせていただく翁明窯元さんのご紹介です!
東峰村の店舗。和風モダンな造りのお洒落なお店です。
一枚板のテーブルや大きな梁など、木のあたたかさが心地よい空間に素敵な作品たちが並んでいます。
お隣りには工房や制作スペースがあります。
陶の郷の豊かなで美しい自然いっぱいの中で器は制作されています。
翁明窯元は、小石原村(現在の東峰村)生まれの鬼丸翁明さんが1980年に開窯。小石原焼の伝統の技を継承し、2003年には伝統工芸士の認定を受け、日々息子さんの尚幸さんとともに作陶しています。尚幸さんは東京藝術大学の美術学部工芸学科及び同大学院を卒業後、2009年に翁明窯元にて作陶に入られます。お二方とも数えきれないほどの受賞歴があり、制作される作品には崇高な美しさと使いやすさを兼ね備えたまさに''用と美''の器を制作されています。
土は小石原で採れる良質な土を使用。釉薬は、ワラや木の灰、長石など天然の原料を独自で調合して作っています。焼き色はひとつとして同じものがなく、その時々により変化するのも魅力の一つ。
かたちはろくろで成型。細やかな飛び鉋の美しさがやさしい印象です。
白化粧土で丁寧に小さなドット模様。とっても可愛らしいですね。
伝統の良さを受け継ぎ、そして現代の生活にも合うようなものを生み出し後の世に残す。日々の暮らしにそっと寄り添うような存在となるよう思いを込めて制作されています。
翁明窯元さんの取り扱い作品一覧 こちら